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ダビデの人口調査 Ⅱサムエル24章 2015年1月22日
ダビデの生涯の中で一大汚点として挙げられるのは,ウリヤの妻バテ・シェバとの姦淫と,それに続くウリヤ殺害の罪ですが,サムエル記の最後に,もう1つ「兵を数える罪」が記録されています。
1 ダビデのもう一つの失敗 人口調査 1~9
24:1 さて、再び主の怒りが、イスラエルに向かって燃え上がった。主は「さあ、イスラエルとユダの人口を数えよ。」と言って、ダビデを動かして彼らに向かわせた。
主がダビデを動かしてとはどういうことでしょうか?そのことにより主の怒りがイスラエルに向かって燃え上がったというのに。霊的高慢は主に嫌われます。Ⅰ歴21章にある並行箇所と合せて読むと,この時直接ダビデを誘惑したのはサタンであり,万事に主権を持つ主が,それを許容され,この人口調査が行われたことがわかります。(参照Ⅰ歴21:1,ヨブ1:12,2:6).人口調査そのものには罪はないが(参照民1:2),この場合,その動機が神の御心に反するものだったのでしょう。つまり,イスラエルの民が強力になるのは,あくまでも神ご自身の祝福と御力によるのであり,決して兵力の多寡によるのではないのに,ダビデがその基本を忘れ,兵力を誇ろうとしたことが神の御心を損なったのでしょう。人口調査を命じられたヨアブや将校たちも,ダビデの動機に不安を覚え,実行をためらったが,ダビデの強要により,ついにイスラエル全地を行き巡り,〈9か月と20日〉(8)をかけて,その任務を果したのでした。(3‐8).
2 神の裁き 10~17
神の裁きは峻厳でした。ダビデ自身も,調査終了後でしたが,自分の非を悟り,〈良心のとがめ〉(10)を覚えました.そして,その罪を神の前に告白します。(参照Ⅰヨハ1:9).バテ・シェバ事件の時には預言者ナタンが遣わされましたが(参照12章),今回は〈預言者ガド〉(11)がダビデに主の御言葉を告げた.それによると,主からの懲罰として,ダビデは7年間の飢饉,3か月の敗走,3日間の疫病という3つのうち1つを選択しなければなりませんでした。(12‐13).ダビデは,無慈悲な敵(〈人〉)の手に陥ることをいとい,あわれみ深い〈主の手〉に陥ること,すなわち,第3の「疫病」を選んだのです。(14).
こうしてさばきは始まり,イスラエルの北の端から南の端まで,すなわち人口調査の行われた全地域で,1,2日のうちに〈7万人〉(15)が疫病で死亡したのです。調査で確かめられた数字は,たちまち7万人の減となったのです。国を成り立たせているのは兵力ではなく,神の御力であることが思い知らされたのです。
疫病がエルサレムに蔓延しそうになった時,あわれみ深い神の介入の御手が伸されました。疫病をつかさどっていた御使いに,〈もう十分だ.あなたの手を引け〉(16)との命令が与えられたのです。それがとどめられた地点は,〈エブス人アラウナの打ち場〉でした。ダビデは,民の「羊飼い」として,民の苦しみを見るに忍びず,むしろ自分と自分の家族を打って下さい,と悔い改め祈るのでした。(17).
3 祭壇を築く 18~25
預言者ガドは,もう一度ダビデのもとに遣わされ,その〈アラウナの打ち場〉(16,18)に祭壇を築くようにという主の御言葉を伝えます。王とその部下たちの来訪を受けたアラウナは驚き,地に伏して彼らを迎えます。(20).打ち場の提供を申し込まれたアラウナは,これまでの生活手段も何もかもすべて無料で差し上げますと,献身的に申し出ました(22‐23,参照創23:11).しかし王は,〈費用もかけずに〉主にいけにえをささげることは出来ないと答え,打ち場と牛代として〈銀50シェケル〉を支払いました。(24).この地は,後に神殿建設用地として聖別されますが(参照Ⅰ歴22:1),ダビデは,その後用地全体の代金として「6百シェケル」を支払っています(参照同21:25)。この地は,実はアブラハムがイサクを全焼のいけにえとしてささげようとした「モリヤ」の山であり(参照創22:2,Ⅱ歴3:1),「世の罪を取り除く神の小羊」(ヨハ1:29)も,この地で人々の全き贖いの代価としてささげられようとしていたのです。
こうして,ダビデはここに祭壇を築き,〈全焼のいけにえと和解のいけにえ〉(25a)をささげました。主は,ダビデを初め,〈この国〉(25b)全体の祈りに応え,その豊かなあわれみの故に,疫病をとどめ,イスラエルを救われたのです。(25)
祈り:神様。あなたの救いの壮大な計画のゆえにあなたを賛美します。どうか、私を高ぶりの罪から守ってください。私の罪のために贖いとなってくださった主に感謝します。アーメン
しかし,あわれみ深い神の赦しと導きにより,このことが契機となって,将来神殿の建設用地となる地がダビデに示されることになる
アブラハム・ダビデ(ソロモン)・イエス様